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大人のピアノ

 Debussyを弾いてると、いつだかの夏休みを思い出す。

昼ごろ起きて、テレビを見て母親の作った油のかえっちゃったようなチャーハンを食べ、飽きるとピアノを弾いているなんて今とどこも変わらないが、老人になったので朝は早起き。

 ピアノは10歳をすぎて画期的に上手くなることはないので、10歳までが勝負だが、子供の生徒たちを見てるといつの時代も親に言われて「いやいや」だなあ。

 そのくせ絶対20歳過ぎるとピアノがサラッと弾けたらどんなにいいか、などと思いヤマハに「大人のためのピアノレッスン」を受けに行ったりするが、遅い。

 でも遅過ぎることはもう時間を気にしなくていいということなので、練習する。抜本的に上手くなるということはないが、つっかえなくなる、とかそんなことはある。大人の皆さん、ピアノを弾きましょう。うちでも教えられますが、もう今更ヤマハでもカワイでもいいですよ。それでうちで年二回やっている発表会にでましょう。暗譜でなくても良い会です。次回は12月です。

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多様化、な時代というが、よく昔タモリが「まとめない!」とまとめたがる永六輔を叱っていたが、そんなことか。

当教室の皆さんを見ていると実に多様な生き方をしていると思うが、これが「先端」というものかもしれない。ここ都心だしね。田舎行くとまだまだ窒息するほど同質だけどね。

なんだって必ずまとまらない方向に行くんだと思う。

例えば音楽、西洋音楽はどんどん和声が多様化して崩壊したが、演歌の有線のかかる安い飲み屋に行ってみるといいが、演歌は未だ音階が4、7抜きである。つまり音階でなく旋法である。和音も5つくらいしかつかないが、これを聞いていられる耳というものもまだ存するのである。

耳も生き方も先に進めば後ろには引けない。

 子供に幼児教育を施すなら、学力とかは後でいいからまず和音と色彩教育をしてみたらどうだろうとかねてから思っている。どこでもかかってるBGM、うるさい電車の到着音なども無くなるだろうし、ここに景観無視して20階のマンション建てるなんていう暴挙も無くなるだろう。センスのない土建屋ばかり再生産しないためにもお母さん、頑張って下さい。

 多彩を認め出すと「統一」できなくなるからね。それは国など統治する側からしたらめんどくさいことなのだろうと想像はつくけど。

でもどういうわけか人はだんだん複雑になり多様になる方向だが。流れは止められないのである。

 西洋音楽は複雑になりすぎて破綻したわけだが、そこからが暗中模索というかもう何も一つの方向を取れなくなっている。調性のないもの、半分くらいあるもの、単純化したもの、昔ながらのもの、地域性に活路を見出そうとしているもの。

人の生き方は常に「芸術」より100年は遅いから、今世紀末などにはいろんなものが破綻しちゃうんだろうよ。でもそのカオスを生きる、何も「統一」できない「まとめられない」を生きる。それはきっとジョン・レノンが言ってた国がなくなる、ということでもあるだろうし、「つながり」ということをゼロから考え直すことになるだろう。

もしもう一度生きられるなら、「その先」を見てみたいと思う。

 

 

 

 

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