ホウツキブログ
2025年04月04日

Maria

香港

3月は10日間イタリア、5日間香港であった。

いや、日本とは人の目を気にしすぎる国なのだととても思う。だからこそ規律が守られている感じで「ちゃんと」しているんだろう。ちょっと苦しい国なのかもしれない。香港は自殺する人はほぼいないというが、日本は一日30〜50人くらい自死する。香港だってイタリアだって庶民はさして金持ちでもなさそうだし、香港の家は狭い上に高いのは東京とさほど変わらないのではないかと思うが。

仲間から外れたくないという意識が強すぎるのか、また誰かを外したいという意志が強いのか。へんな人と思われたく無い、という感覚は日本人に多いかもしれない。

しかし私がここでうたの個人レッスンを始めて20年、かなりの延人数であると思うが、

みんな「変」です。

変だけど、変だと言われたくないと頑張っている変な人というのはいるかもしれない。そこ「降ろして」しまった方が声は出やすいが。

もうここまで教える業をやっているとどこをどうすればどうなるか大体わかるが(ごめん、初めの頃はわかりませんでした)「正しいこと」が受け入れられるかといえば「そこ」難しいところなのだ。ほとんどの人が自分のことこそ一番ブラインドになっているが、「こうありたい」が強すぎるとだめだし、まして「こうあるべき」というのは邪魔な感じ。フラットでいようとするのもちょっと難しい人の部類かな。

耳塞ぐといい音が出る、というレッスンをイタリアで受けたが、ある程度歌えている人だとほんと良くなる。つまり外に出した自分の声をまた自分で聞くというところで2回ミスをしてしまっているようなところがあるのだ。

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飛行機にかなりの時間乗っていたが、ANAの直行がミラノまで行くようになり、片道15時間、香港は約4時間という感じか。中で映画「Maria」を計6回くらい見た。マリアカラスの晩年を扱っている映画だが、調子のいい時は「劇場が燃えるかと」思うくらいだったと囘想するシーンがある。

イタリアで習ってきた発声の「そのちょっと」はその発火点を持っていて、そこ火がつくようなうたい方でないと、いまさら声楽などやっている意味はないだろうとつくづく思った。

 

 

 

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