フツウにゃん

 うたがうまいとか上手くないとか、まあ簡単にいうわけだけど、下手の中には音痴という特殊なジャンルもあるが、それは割と思われているより少なく、ある程度治すこともできると思うけど、療養の範疇か、単純に音域が一般人的でないために上手く音が取れないか（私がかつてそうだったように）その辺は見てみないとわからない。療養の範疇だったとしても、人は歌が歌えなくてもさほど困ることはなく、みんなで行くカラオケを回避するとか、いや子供の時は音楽の授業をいかに逃すかは結構な課題。うたっているフリを私はしていたが、公立のいい加減な学校だったからできることで、私立の学校はしっかりした音楽の授業があることが多く、そこで悩んでくるお子様もかつていた。逆にその同じ学校でうたに目覚めて来ていた姉妹がいた。

うたなどうたえなくてもなんの劣等感も持たないでほしいと切に願うが、学校というところは人に優劣をつけるところである。学校で音楽、図工、体育の類は廃止にしてほしいが。大した知識もない先生に「音痴」とか言われるのも癪だ。イタリアのようにそれらを廃止すれば学校は午前中で帰れるのだ。

　今日は動線上仕方なくこれを春日のガストで書いてるが、お運びロボットが行き交っている。うるさい。注文が入るたび「行ってくるにゃん」というのだ。何がどう「進化」しようと構わないが、こういうセンスは人間後退してないか。うるさいし、なんだよ「にゃん」って。人件費をケチって商品のコストを下げてるのかもしれないが、にゃんにゃんロボットが走らないガストなら全商品100円くらい上乗せしてくれていいが、それならガストなんか来ないで、ちゃんとギャルソンが対応してくれる店へ行けということですね。

　そう、うたのうまい下手の話をしよう。

まずは鼻腔が鳴るのか問題。

初めからなっている人というのは普段の声がもうすでに不埒なほど鳴っているということが多い。この手の声楽やったら鳴ってしまう人々というのはいつも響く声で喋るから学校でも職場でも浮いていることは多いかもしれない。つまり空気読めないから声がでかい、もあると思う。

骨格的に鳴りやすい鳴りにくいはあると思うが、性格的に鳴りたいか、鳴りたくないか、はある。日本人は言語的にも鳴らないところで喋った方が「有利」な面はあると思うので、空気よく読めます、静かで普通で生きてます、の人々がますます鳴らないに立脚している事は多い。

フツウでいいにゃん。朝のNHKラジオを時計がわりに聞いているが、今日は自分の84の誕生日だの、孫が高校卒業して就職した初めての給料でなんか買ってくれただの、お母さんがリハビリを終えて元気になっただの、今日は夫婦の50回目の結婚記念日、お父さんこれからもよろしく、だの。どうしてそんな事ラジオで報告するんだ！の不思議。フツウ自慢？今日は50回目の結婚記念日。もう免許返納しようと言ってたらお父さんが愛車のベンツに運転手を雇ってくれました、だの五人の孫は全員東大ですが、最後の孫がどうしても東大に行きたがらず、マサチューセッツ工科大学に行くことになりましただのそういう報告は一回も聞いた事ないが、こういうすごい自慢はみんなの心を傷つけるだけだからか。

人は平等ではない。平等という思想がどれだけ人の心を病ませるか、というような趣旨のことを太宰が言っているが、平等を信じるなら絶対「良い方」をみないことだ。

　鳴る鳴らないですらなんの平等もないのである。いや、赤ちゃんの時は平等に鳴ってたではないか。主にその後の過ごし方だにゃん。

　でも声楽をやりたいと思って伺ったのですから、鳴りたいし、綺麗な声で歌いたいと思っているんです！子どもも一応育ち、結婚してくれました。結婚式は一人娘ですし、遜色のないところで挙げたんですよ。うちとしましたら少し無理をしましたが、親としても子育て卒業式です。お式が終わりお父さんと家に帰ってみると、娘が可愛がってた愛犬コロが待っていました。もう娘が帰ってこないのを知ってか吠えもせず寂しそうにしてるのです。思わず私は泣いてしまいました。あんなに早く結婚してくれと思ってた娘です。なんの不満があるでしょう？お相手も勿体無いくらいな人です。でもなぜかポッカリ心に真空なところができたような違和感。慣れるんでしょうか？孫などできたら毎日駆り出されてそれどころじゃないわよ、とお友達は言うけど。でもそれまでの間何をどうして暮らしていったらいいのかしら？昔々の話ですが、小学校の頃うたが好きだったこと思い出したんです。そうだ、みんなのためにいろいろ犠牲というほどではないけど自分のことは後回しにしてきたな、と。うたを歌いたくなりました。主人がまずは習いに行ったらどうか？と申します。一回5000円！びっくりするくらいお高いですが、まあ他を探してもそのくらいはするんですね。さすがは声楽。主人はそのくらいいいと言ってくれます。ありがたいことです。

　といった感じのフツウの主婦について、いくらでもかけるんだが（悪趣味だぞ）まず鳴らないだろうなと。でもそこはアデーレ法律事務所じゃないが、かつて好きだったくらいでいいんです、フツウの鎧でぎちぎちでもいいんです、なんの素養もなくていいんです、音符が読めなくてもいいんです、リズムがわからなくてもいいんです、声もほとんど出したことなくてもいいんです、まずはお電話ください。

　それにしても当ページに時々アップされるコラムはネット会社がAIか何かで書いてるのかな？つまんないにゃん、だけではなく見逃せないくらい違ってるにゃんもあるので、リニューアル時に削除してもらいます。

にゃん。