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からだから講座4

  たまにこのブログに挟み込まれている「おすすめ」なるコラムは、ネット会社が検索数を伸ばすために入れてくれているものなのだが、AIが書いてるのかもしれず、間違ってないが何も伝えない類の文章だが。

 ベルカント唱法でのびのび歌いましょう、などと言われると、ほんとにそんなふうにうたってみたいなあ、という気になるから、宣伝にはいいのかもしれない。ホウツキブログも毎度もっとわかりやすく書くように指導が入るが、ブログは毎度声楽と関係ない与太話だったりもするが、私のレッスンは非常にわかりやすいので一度来てみるといいと思うが

 でも難しいのである、それは「自分」が難しいから難しい。

 声を出す、あるルールで声を出す、つまり鼻腔共鳴を使って、鼻腔を共鳴させるようなやり方で(マイクのない時代だから)声を出す、ということがそれほど説明の難しいものだともやり方の難しいものだとも思わないが(それはほんと「おすすめ」に書いてある程度のものかもしれない)それをわかる、まして出来るって色々な「自分」が邪魔して難しい。

 自分のことは自分が一番知らないので難しい。

呼吸ひとつとっても、体の中のことなのでよくわからないし、呼吸は肺に空気を入れることだが、入れ方を指導すればすぐに壁にぶつかるのである。それぞれのそれぞれすぎるやり方で人は息を吸っている。でも死なないということはそれなりに酸素の取り込みには成功している様子だが、横隔膜を下げてまで息を吸うなどということは普通しないので、そこは訓練だけど。しかしそういう「太々しい感じの息の取り方」を声楽家でもないのにしている人はいる。逆にいつも怯えた感じの息の取り方をしている人もいる。声楽に必要な太々しい息の取り方をするには「考え方」というか大袈裟にいうと「生き方」を変えなくてはならないような面があり、そこ指導しにくいのである。

鼻腔共鳴ということもそうだが、共鳴しやすい人としにくい人がおり、そんなもん1秒で出来るだろ、と思うがそうはいかないのである。大きな声をあまり出していない人、まして響かないところで喋ることを「フツウ」とし、普通でいたいと強く思うような生き方をしている人が鼻腔を鳴らすのは大変である。日本語は世界でも稀に見る鼻腔共鳴をあてにしない言語なので口輪筋は育たないし、鼻腔にちょっとでも響かせるのを恥ずかしがる文化すらあるように思う。毎日を静かにつつがなく暮らして声を荒げたりしないことを生きる旨としている人に、極端にブレてしまっている人ばかり出てくるオペラの登場人物的発声ができるかといえば難しいのである。機能的には1秒でできることも本人の「同意」がえられないから何年もできないということになる。

 声楽の難しさとは「自分問題」なのだと思うが、こんなもの真似っこなので、今どきYouTubeでオペラと入れれば色々出て来るので、それを真似すればできてしまうのだが、またここで「自分」問題。マネなどというふざけたことをしない、という生活態度の人が結構多いのである。

 うたをうたうなどというプリミティブな行為は、叫ぶ笑う泣くなどとも近いところにあり、そこ封印して「まともな」大人になってるわけだが、まずはそのスイッチをオフにすることなのだと思う。そのまともスイッチみたいなものを探して切ってもらうことがレッスンだったりする。まずはそのスイッチを探しに行くわけだが、抵抗に遭うことの方が多い。そうなりたい、と頭で思ってても「そうなりたくない」と体は反応することなど別に驚きもしない日常であるが、その「ウソ」を見破ると怒られてしまったりもするのである。

 からだから講座4回目を開催(9月14日)

体のこと真剣に向き合って歌っている杉崎竜二氏(バリトン)を講師に招いて毎度実践を伴っての講義で大変役にたつ。からだは色々な動きの中で訓練していかないとダメですね。声は体の一部だし、体は脳に支配されてるがからだから支配を変えてやることもまたできるというわけです。

その後チョコかんとというちょこっとうたってもらい言ってほしい人には杉崎、私で稽古をつけるというのも公開レッスンみたいで良い企画だと思う。これを公開レッスン的に拡大して行ってもいいのかもしれない。

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母と二人で暮らしています。小さいけれど3年前に亡くなった父が買った一軒家です。もう随分老朽化したけど、住み慣れたこの家で最後まで、という母の望みは叶えてあげようと思っています。私はここから1時間と20分かけて都心の会社に勤めてもう30年になります。真面目、だとは思いますが結婚しないとかそんな決意があったわけでもなく、毎日つつがなく仕事をして家に帰るを繰り返しているうちに30年になりました。転職するほど今の職場に不満があるわけでもなく、皆さんとてもいい人です。友達も何人かいますから食事に行ったり買い物に行ったり小さな楽しみはありますし、家に帰って母と静かに食事を取るのも何より落ち着けて心休まります。母も今のところ元気ですし、特に困ったことはありません。つつがなく毎日を送っています。先日上司がオペラのチケットを2枚ほど余らせてしまい、行ってこないかというので同僚を誘って行ってみました。前も何かみたような記憶があるのですが、よく覚えてもいませんでした、あの大きな声でうたう、ちょっと途中退屈なあれね、と言った感じです。びっくりしました。席が良かったのか、何かその声に圧倒されてしまい人間が、同じ人間からこんな声が出るものなのでしょうか?家に帰ってからちょっと自室で小さな声で歌ってみたりしましたが、この声があの声にあるとはとても思えないのですが、あんなふうに堂々と朗々と声を響かせられるなんてことがたった30秒でもできたのならどんな気持ちでしょう?調べてみれば声楽教室というのはたくさんあるんですね。普通の人々が通っているようなところもあるようです。この歳で初心者で音符はもう何年も見ていないし(ピアノは小学校まで習っていましたが、ピアノはもう物置場になっています)とても敷居が高い気持ちですが、何かうたってみたいと思いました。これと言った趣味も無いし、まだ先だけど定年したらやること無くなって困るし、今から習ったらもしかしたらオペラなどもうたえるようになったりするんでしょうか?

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もちろん10年もかければ(個人差が大きい)何かしらうたえるようになります。当教室はイタリアマスタークラスも毎年開催の予定ですからぜひ定年後にでも行きましょう。しかしその前に準備として(いや習いながらでいいのですが)もう少し声を荒げるような、叫ぶような、そんなことがあってもいいかなと思います。激しく泣く笑う怒る、その生活の中には無いようです。猫犬を飼っているようならそれらの鳴き真似などもおすすめです。上司の机を蹴っ飛ばしたり、今更妻子持ちの悪い男と付き合ったりするとそれら全部できますが、いきなりそんなオペラの登場人物的人間になるのも大変ですから、せめて野球の応援、サッカーの応援に行く、ジェットコースターに乗るなどいかがでしょう?

 

 

 

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