ピアノを習おう!
時間があったらやりたい仕事というか事業はいくつかあり、もしか音楽関係で食い詰めていて何かやりたいけど思いつかない人は是非メールをくださいという感じなのだが、その一つにピアノ事業がある。
もうあちこちでやっていることで決して新しいことではないのかもしれないが。派遣とか(それもありだと思う)練習ほとんどしなくていい!というのはどうだろう。
とにかく今の子供は忙しいのである。
私は小学校の6年間で少し大変でもきちんとした基礎を身につければ一生ピアノは友達になってくれる、と思っているのだが、今小学生は激務である。
大体は塾に4年から通う。6年ともなれば週6日くらいは小学校から帰ってきたらすぐ塾に行き9時まで勉強、帰ってきてフロメシで下手するとそこから塾、学校の宿題をこなすのである。
イタリアなんか学校は4時間で終わりだし、塾なんか特に行かない(と思う)みな次回はイタリアに生まれたいものだ、と思っていても生まれる場所は選べないのだ。
その上にピアノを、水泳などをトッピングで習い事をしている小学生は多い。ひとえに人後に落としてなるものぞの親心ではあるが、そのハードスケジュールを難なくこなす24時間働ける小学生はいるのだ。スルスル御三家に入りスルスル東大に入ったりするが、東大でピアノが弾ける子は多いし、ガチなスポーツ部出身者も多い。なんでもできるというか時間の使い方がうまいのか、集中力があるのか、タフな精神力なのかわからないけど。悔しいけど能力には差があるのだ。
そんななんでもできなくていいからさ、小学生の時はぼんやりする時間も大事です、などと言ってしまうと小学生は永遠にぼんやりしてしまうという側面もあるので、ミスミスできることもできなくなってしまうということに。
で、ピアノは家での練習も大事だし、特に好きでもない限り自分から練習などしないし、そして大体は家に「音楽環境が貧困問題」がありピアノなど弾けるようにならないものだが、そこ、そこなのだ。
家で練習をほとんどしなくても、家に音楽環境がなくても、本人に音楽的センスがなくてもピアノがなんとか大人になって弾けるようになるような基礎!までを身につけてもらう、ということが出来ないか?
ピアノなんか弾けなくても何も困りはしないが、大人(大人の定義は「お金」のために「仕事」を始めるようになった人)になったら絶対ピアノが弾けた方がいいと私は信じてやまないものである
ピアノの先生としては声楽より長い私は、自分が大して弾けるわけではないが、どうしたらこうなってこうなるかは少しわかるので、これとこれとこれをこんな感じでやればこうなる、くらいはわかるし、いわゆる「ピアノの先生」が考えているようなことではないような切り口がないと普通の子が「ピアノの弾ける子」にはならないと思っている。そこ惜しげもなく伝授するので、誰かやってくれないかな。これを音大ピアノ科出身の先生たちに徹底的に指導してやっていただくというシステムを作ろうと思ったことがあるが、今の今は忙しすぎてそこまで手が出せない。
子どもの社会的環境を理解しないで練習してこない子を叱ったりしてもダメで、それも今の子供の状況は様々です。
激務の子供は書いたが、「暇な子供」というのもいる。親が「自然主義」あるいは「放任」などの場合、ピアノを習いにきている割には「そんなもの弾けてもねえ〜」と妙に懐疑的。子供に何かを「強制」するのは虐待くらいに思っているので、勉強や練習をしないでも怒らない。キャンプに行って火を起こしてみたり、みなで星を眺めたりこそが子供に必要な「学び」だと信じてやまないので、週末は必ずアウトドアである。ルソーを読んでるわけでもないだろうが、ルソー的というか。
つまり「自然」をどう捉えるかの親の考え方ひとつにかかっているとも言える。
でも究極は親が悩まなくても大丈夫なのである。もっと偉大な「遺伝子」という「自然」は「なるようになる、なるようにしかならない」という絶対を持っているので。
いや、長くなったが、こういうコンフュージョンな子供を取り巻く環境の中、それでも(そんな親たちにも関わらず)私はピアノが弾けるようになってほしいと願うものである。
レッスンにきてくれること前提だが、ここで徹底的にリピートさせること、ペースはゆっくりでも年間に何曲か完成させて、ずっと弾けるように継続して練習させることなのだが、すぐに「好き」か「嫌い」かを問うけど、嫌いで結構、子供のこれからは親が死んだ後に長く続くのである。
45歳の時にピアノが弾けた方がいい、会社で嫌なことがあったりした時ベートヴェンの熱情の一楽章が弾けたらどんなに良いだろう?68歳ならさらにいい、趣味です、と言えるし、同じ趣味の人たちとアンサンブルができるかもしれない。84歳で弾けたらさらに良い、指をこれほど十全に使うものは少ないのでボケ防止になる、特にバッハなどポリフォニーのものを弾くといいのでは。90歳で弾けたら。伴侶には先立たれ、お友達も少なくなり、子供も盆暮くらいしかきてくれないかもしれないし、その「介護」をめぐって子供同士で揉めてるかもしれない。そんな身を切るような孤独にショパンの夜想曲などどうだろう。
是非ピアノを諦めないでほしい。特に小学生!忙しいけど習いにきて!